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アンモナイトが来た道

発掘しない化石愛好家がつづる 伊豆アンモナイト博物館公式ブログ

2023-12

漂えど沈まず・・・・儚くもたくましく

ミズクラゲ
ミズクラゲ

ふわふわ漂う透明な体。
これも、“生命のかたち”

しばしば、漁師さんたちを悩ませる、
エチゼンクラゲのように、巨大なクラゲもいますが、
クラゲも色々。

ドフラインクラゲ

こちら、この時期、各地の沿岸で見られる、
「ドフラインクラゲ」
傘の高さが2センチほどの、
春を告げる、小さなクラゲです。

動いているのが不思議なくらいですが、
ここにも、生命が宿っています。

クラゲの体は実に単純。

体の90パーセント以上が水分で、
脳もない、心臓もない・・・
胃、口、触手などがあるだけの、
なんとも、シンプルライフなのです!

それでも、生きるために必要な機能を搭載した、
極めて優れたシステムと言えましょう。

そんなクラゲの起源は思いのほか古く、
その祖先は、およそ10億年前に
地球に出現したと言われています。

人類が現れるずっとずっと前から、
儚くも、たくましく生き抜いてきました。

そして、これからも、漂えど沈まず・・・・

カブトクラゲ
カブトクラゲ

写真は全て東海大学海洋科学博物館にて撮影しました


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「中谷宇吉郎の森羅万象帖」 宇吉郎はいつでも・・・

「雪は天から送られた手紙である」

こんな素敵な名言を残している物理学者・随筆家、
中谷宇吉郎(なかや うきちろう1900-1962)。

雪の結晶

世界で初めて人口雪の結晶をつくることに成功し、
雪と氷が関係する様々な現象を取り扱う学問、
「雪氷学(せっぴょうがく)」の基礎を築きました。

本書では、美しい雪の結晶や火花放電の写真とともに、
彼の軌跡と数多くの示唆に富む言葉が綴られています。

雪の結晶2

印象深いのは、生涯持ち続けた“森羅万象”への熱いまなざしと、
浮かび上がってくる“科学”に対する真摯な人物像。

「科学は社会でどうあるべきか」、「科学者の使命とは・・・」
宇吉郎がいつも胸に抱いていた問いです。

ところで、極寒のなか研究に勤しみ体調を崩した宇吉郎は、
療養のため、家族とともに2年間ほど伊豆で過ごしています。

残された絵画や随筆とともに、その足跡をたどれば、
宇吉郎が伊豆で見つめた“森羅万象”に出会えるかもしれません。



東京都中央区京橋「リクシルギャラリー」にて
「中谷宇吉郎の森羅万象帖展」が予定されています。
2013年9月2日(月)~2013年11月23日(土)
休館日:水曜日□10:00~18:00(9/2のみ13:00~18:00) 
□入場無料
中谷宇吉郎の森羅万象帖展

ヘリコプリオン アンモナイトに見せかけて・・・

2013新宿ミネラル

毎年恒例、新宿で開催される、「東京国際ミネラルフェア」
今年の特別展は、「ザ・シャーク」

こちらでは“謎の渦巻き”との出会いがありました。

ヘリコプリオン2
ロシア・ペルム紀(約2億9900万年前~2億5100万年前)
直径25センチ

異常巻きアンモナイトのようにも見えますが、
アンモナイトではありません。

なんと、サメの歯の化石(レプリカ)、
ヘリコプリオン(ゼンマイ状のノコギリという意味)。

軟骨魚類のサメの、「歯」以外の化石は
極めて残りにくく、情報が少ないのです。
未だその所属すら不明で、
上あごの歯なのか、下あごの歯なのかさえ
謎に包まれています。

そのため、色々な仮説があるようで・・・

ヘリコプリオン2
ヘリコプリオン1

実に様々な復元が試みられています。
一説には、アンモナイトと勘違いして近寄ってきた獲物を
パクリと食べていたのではとも言われています。

日本では、群馬県、宮城県で発見されています。

“謎のギザギザ渦巻き”

確かなのは、このような歯を持ったサメがかつて存在したということ。
どんな姿で太古の海を泳いでいたのでしょう・・・

消えていった生き物がもたらした想像の余地は、
あまりにも広大です。


オフィス街に出会う “好奇心” インターメディアテク

骨、石、剥製・・・
難しそうな顔をした学術標本。

それが、こちらで出会う標本たちの表情は、
時に美しく、時にあやしい・・・
どこかなまめかしいのです。

東大・インターメディアテク

日本郵便と東京大学総合研究博物館の協働運営による
JPタワー学術文化総合ミュージアム
“インターメディアテク”

3月に開業したばかりの、KITTE(キッテ)内、
2階、3階に、この“異空間”は誕生しました。

その名の由来は、各種の表現メディアを架橋することで
新しい文化の創造につなげる、
「間メディア実験館」にあるのだそうです。

年代ものの骨格標本や乾燥標本は、
ここでは芸術作品のよう。

科学と芸術の交差点は、東京駅目の前にあります。

キッテ

インターメディアテク公式サイト


“二枚貝”なんて言わせない! 君は腕足類(わんそくるい)

“腕足類(わんそくるい)”と聞いて、「ああ、あれね!」
と思う方はそう多くはないはず。

見た目は軟体動物(門)の二枚貝そっくりですが、
「腕足動物(門)」という独立した“孤高”の存在。
二枚貝と腕足類はまさに、“他人のそら似”の関係なのです。
ミドリシャミセンガイ
 日本の代表的腕足類・ミドリシャミセンガイ ジョルジュ・キュヴィエ「動物界」(1817)より

では、どこがそんなに違うのかというと、
二枚貝の殻が体の左右にあるのに対し、
腕足類は体の上下にそれぞれ一枚ずつあるのだとか。
ところで、もっと分かりやすい違いがあります。それは・・・

“おいしいかどうか”

アサリなどの二枚貝は魚屋さんでもおなじみ。
まさに、“おいしい生き物”なのです。
対して、腕足類は、魚屋さんでお目にかかる機会は
まずないと言ってよいでしょう。※
知名度の低さは、人との関わりの薄さにあるのかもしれません。

古生代(5億4000万年前~2億5000万年前)に大繁栄した腕足類は、
今や風前の灯。栄枯盛衰・・・。
それでも彼らは生き抜いています。
海の片隅、遠い過去の栄光にひたりながら・・・

リンコネラ
モロッコ産 リンコネラ(腕足類) 白亜紀(約1億年前)
左2.5cm 右3.0cm 

※九州北西部の有明海では“めかじゃ”と呼ばれ、
珍味として知られているそうです。


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プロフィール

saccocoma

Author:saccocoma
発掘しない化石愛好家(♀)

石、化石、生き物・・・
たちを色々な視点から
熱いまなざしで
見つめています。
趣味は書店、古書店を
巡り、ときめく書籍を
探すこと。現在
“おもてな師マイスター”
として、おもてなし名人を
目指し奮闘中。

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