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アンモナイトが来た道

発掘しない化石愛好家がつづる 伊豆アンモナイト博物館公式ブログ

2023-03

誰のマクラ? タコノマクラ

ブンブクチャガマ、タコノマクラ、スカシカシパン・・・。
何やら楽しそうですが、これら全てウニの名前。

そのユニークなかたちのせいでしょうか。
ウニは “珍名” の宝庫です。

ヘッケル・タコノマクラ類
E・ヘッケル「生物の驚異的な形」(1904)より
『ウニ類』 タコノマクラ  四隅の4体は成体・他は幼生

棘で覆われた殻をもつ食用のムラサキウニなどと違い、
平坦なかたちで、食べることはできません。

スカシカシパン
服部雪斎「目八譜」(1845)より
『スカシカシパン』
切り込みのような穴(孔)が特徴的です。

ちなみに、江戸時代の本草家(ほんぞうか)は、
ウニを “サルノマクラ” とよんでいた
という記録があるとのこと。

一体、“誰のマクラ” なのでしょう?


カタツムリに弟子入り! その“生き様”に学ぶ

汚れた殻を背負ったカタツムリを見つけたことがあるでしょうか?
彼らの殻はいつも“キレイ”なんです。

千虫譜 かたつむり
栗本丹洲著 「千虫譜」(1811)より

その秘密は殻の表面にはしる細かな「溝」。
これによって、殻の表面は常に「水の膜」で覆われ、
この水の膜が汚れを浮かし、雨が降ると流れ落ちるのです。
なんと“メンテナンス・フリー”

こうしたカタツムリの殻の構造を外壁材に応用し、
耐久性や防汚効果に優れた商品の開発に成功した企業もあります。

生物の特徴をまねて製品の機能を高めるものづくりの手法を
「生物模倣」(バイオミメティクス)といいます。

生き物たちの“生き様”に学ぼうというわけです。

地球46億年の歴史からすれば、わたしたちヒトはほんのひよっこ。
偉大なる“先輩”は、身近なところで静かにたたずんでいます。


“裸一貫”生き残り戦略 彼らは殻を脱いだ 

ヘッケルタコ類
エルンスト・ヘッケル 「生物の驚異的な形」より『タコ類』


殻を持っている現生のイカやタコの仲間は限られています。
しかし、かつて彼らの多くは殻を持っていました。

一般的に、頭足類(イカやタコの仲間)の進化は、
有殻から無殻へ、殻を捨てる傾向があると言われています。
一見無防備とも思える形態にどうして進んだのかは、
謎に包まれていますが、
イカは高度な遊泳能力を、タコは高い知能をもつ生き物へと
進化を遂げました。

彼らは厳しい大海原を“裸一貫”で生きぬいているのです。





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saccocoma

Author:saccocoma
発掘しない化石愛好家(♀)

石、化石、生き物・・・
たちを色々な視点から
熱いまなざしで
見つめています。
趣味は書店、古書店を
巡り、ときめく書籍を
探すこと。現在
“おもてな師マイスター”
として、おもてなし名人を
目指し奮闘中。

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