いい仕事してます! 驚異の縫合線(ほうごうせん)

北海道産 ダメシテス (白亜紀後期)
アンモナイトの表面に菊の葉模様。
これはアンモナイト自体の模様で、
「縫合線(ほうごうせん)」とよばれています。
アンモナイトの殻の内部は、体(軟体部)が入っている
住房(じゅうぼう)と、気体の入っている気室(きしつ)
とで構成されています。

≪断面≫ 外側の灰色の部分が住房、仕切りに区切られている部分が気室
北海道産 ゴードリセラス (白亜紀後期)
気室は、隔壁(かくへき)という仕切りで区切られていて、
この隔壁は、中心でカットした断面では単純ですが、
外側にいくほど複雑な曲線を形成します。
表面の殻を剥がすとあらわれるのが縫合線。
見れば見るほど複雑で精緻な模様。
設計図も下絵もなく形成したのです。
まさに、生き物のなせる驚異的な自然の造形美。
いい仕事してます!
スポンサーサイト
めでたい!アンモナイトは縁起もの

いろいろな唐草模様がありますが、
こちらはタコの吸盤のようにみえることから、
“蛸唐草”とよばれています。
どことなくアンモナイトにみえませんか?
唐草模様とは、つる植物の葉や茎が絡まりながら曲線を描き渦を巻く模様。
生命力が強く、途切れることなく連なっていく様子から、
「繁栄・長寿」を象徴するおめでたい模様として、
古来より親しまれてきました。
永遠と再生のシンボルと言われる渦巻き模様は
時代や文化を問わず、広く愛されている“かたち”のひとつ。
自然界にある巻貝や植物のつるなどから
インスピレーションを得たとも言われています。

親しみやすいかたちでありながら、どこかあやしい魅力も漂う渦巻き模様。
アンモナイトにはまる人々は、この“かたち”に
魅了されているのかもしれません。